万年輪廻

記録、日記

11月26日

 

金曜日

 

イカメットのために出かけるぞと意気込んでいたのに、ベッドから脱出できたのは12時くらいだった。

参加する予定だった研究会にも間に合うわけもなく。

ファトマがピザ(ドミノピザの「たっぷりチーズのパン」みたいな名称)とフライドチキン、バーガーキングのポテトと玉ねぎのフライを注文してくれた。

さらに、ファトマはパンケーキも焼いた。いつも授業の前にパンケーキ食べるとお腹すかない、という主張のもと。

この国ではパンを買うお金もない人がいるんだ、と思うと罪悪感がわいて、あんまりたくさん食べれなかった。

ファーストフードずっと食べたかったので嬉しかった。

実は昨日も食べたかった。が、ファトマが自分で注文するなとわたしの手を止めた。

彼女の忠言にしたがい、昨日の夜は誰もいない家でラフマージュンと骨つきチキンのグリルみたいなやつを食べた。

お金はファトマが払ってくれた。もらってばかり、、、、

 

お昼を食べたすぐあと、トゥルガイが家に来た。

彼が兵役に行く前に会えるとは予想してなかった。特に嫌な気持ちにはならなかった。

ファトマがすぐにカウンセリングの予定が入っていたから、トゥルガイと二人で席に着いた。

二人きりで話すのは初めてだった。

ファトマの得意技?、テタヒーリングの話をした。

お互い実は全く信じていないことを明かしあった。ファトマのことを心配してることも。

あなたが考えてるようにファトマに伝えてもいいと思うよ、と言われた。彼女は自分の気持ちとは反対のことでもちゃんと聞いて自分なりの意見を言うはず、と。

わたしはファトマのことは信じているから彼女のすることにわたしが言うことは何もないのだが、一般論としてスピリチュアルな現象には懐疑的なだけ、と答えた。

それから、デルヴィーシュたちの教育の話になった。

トゥルガイがシェイフのビデオを見せてくれた。それから彼のシェイフとの出会いについて教えてくれた。

かなりプライベートな、誰にでも話せる話ではないことは明らかだった。嬉しかった。

それから、イスタンブルで最近起こっているデモの話もした。トルコの国民が10人だとしたら、3人がデモに行き、5人がどの派閥にも入らず、1人がエリートのお金持ちか政治家、1人が全く何も知らない、と彼は説明した。

デルヴィーシュはどの派閥にも属さない、アッラーの派を選ぶと。

命懸けで警察に殴り込む人たちがこの国には何人もいる。

わたしは誰の味方?、そう聞かれたらどう答えたらいいのか。

 

トゥルガイとわたしのトルコ語名についての話をしてたらファトマが戻ってきた。

コーヒーを飲みながら、三人でテタヒーリングの話をした。

わたしの頭にあった問いをトゥルガイがファトマに全てぶつけた。

わたしは議論を聞くだけだったが、双方にそれなりに合理的な意見を見出した。

最後に、父親とご飯に行くからといって彼は去っていった。

ビットコインを気にしすぎてコインジ・ババと自称・他称するようになっていた。

兵役中に携帯でビットコインを見れるんだろうか?どんな日常が彼を待っているんだろうか?

あなたがいなくなったらイスタンブルが静かになるね、とわたしは言った。

少なからず寂しい気持ちになった。

がんばれ、と思いながら手を振った。

 

彼が去ってからファトマと話した。

トゥルガイはわたしから嫌われてると考えていたみたいだ。

ファトマは、別に彼女はあなたのこと嫌ってないよと説得したらしい。

あなたは彼のことよく知らなかったけど、今日でよく分かったでしょ、とファトマは言った。

確かにな。

みんな幸せになってほしい、という気持ちだけを守ることにする。

みんなのために祈る人間になる。

 

ファトマと話した後、またわたしは授業で彼女も夜遅くまで授業だった。

わたしは夜ご飯として、トゥルガイが全部食べれなかったポテトを食べた。