10月2日
早めに起きる。
人の家で洗濯を干す。気持ちいい。
支度するけど、予想より早く終わる。
そして、結果的に予想より早く目的地についてしまった。「待ってます」と言われたのが気になってしまった。
鳩だらけの駅。
改札の目の前の本屋で立ち読みしているとすぐに来た。
ずっと会いたかった人、やっと会えた。
髪の毛が変色したと言われる。
うまく言い返せなかった。
カレーを食べたり、いつも通ってる図書館を見せてもらったりした。
それから美術館に行った。
嬉しかった。嬉しくて飛べそうだった。
そう、まさに今日は「忘我」にふさわしかった。
始まりからそうだった。
響いてくる詩はみんな、主語が一人称単数の世界を超越していた。
鏡に映った「あなた」との対話。
再会の恍惚。
夜にインドの音楽を聴いた。
演奏家が気持ち良くてたまらないという表情でシタールなどを響かせる。
彼らの恍惚をわたしたちは見ていた。
他人事として。
完全なる溝を確固たるものとしたまま。
演奏とはほとんど関係ないところでわたしもまた恍惚だった。
飛び立ちたいと願った。
これ以上はないというところへ。
本当の冒険。未知の世界。旅。長い旅。
忘我のあとの主語の世界へ。