万年輪廻

記録、日記

11月25日

 

友達にIKEAなどに連れて行ってもらった日。

 

新居とお店を往復させてしまい、なかなかに申し訳なかったけど、机など自分で運ぶのが大変なものを入手できて非常にありがたかった。

 

IKEAで展示されてるセットを見てたら、自分の中で抑えようとしてきた「結婚したい願望」がわいてきて、胸が苦しくなった。

膨大な量の物を見て酔ってしまったのもあったけど、フードコーナーに2回行って、頭真っ白になった。

気がついたら入店から5時間近く経ってた。

IKEA、楽しいのかこわいのか分からない。

 

わたし自身は、結婚したいという願望にとても抵抗があって、それを真っ直ぐに抱くことがこれまでどうしてもできなかった。

自分の人生を振り返ったら、自分にせよ他人にせよ男女が対になって、問題が生じないわけがないので、結婚という契約は苦しみをもっと生むだけというイメージが強かった。

でもなんだか、「最強の女」たる友達も大好きな人と結婚して、つつましく彼のために手を尽くしてるし、そういう温かみに感じ入っていたら心の中の鉛が融解していきそうになった。

まさか彼女が結婚するなんて。

それに、IKEAのセットに満ちる多幸感。

たくさんの物に囲まれて暮らすことを肯定するような展示。

生きることは、物に、人に囲まれるってことやで〜と言わんばかりに。

流石に、人生ハードモードと肩に力入ってたわたしも、砕かれそうになってしまった。

すごく疲れた。

IKEAのあとニトリに行ったら、一人暮らしの家のセットがあって、自分の居場所が用意されてるみたいで落ち着いた。

でもすごく寂しくなった。

目の奥では泣いてたと思う。

 

しかし、友達と丸一日くらい一緒にいて色々話せたのは本当に楽しかった。

もう高校卒業してから10年経つね、と二人でしみじみとした。

彼女が運転する車の中でスピッツの曲を適当に流して、二人でマサムネの歌詞えぐいとはしゃいだりした。

いつまでも友達でいてほしい。

これからお互いどんな道を歩むのかわからないけど。

 

帰り、京都に向かう電車の中で、別の友人とやりとりしていて、彼が「もうひとつマッチを擦ってあたらしくはじめよう」(strike another match go start anew)という言葉をおくってくれた。

聞けば、ボブディランのIt's All Over Now, Baby Blueという歌の一部らしい。

ちょっと調べてみれば、本当にヒリヒリした歌詞で叫びそうになった。

 

You must leave now
Take what you need, you think will last

......

 

新しい生活が楽しみ、と思うようにしないとやっていられない。

好きな人と結婚したとしても何も変わらない。

生活のために必要なお金を稼いで、博論書いて、どこかに就職するってことは決まってる。

その間に歳も取るし、周りの状況も変わっていく。

楽しくやりたい。

家具がなくても幸せになりたい。

一人でも満たされたい。

寂しくても、これがわたしのいのちにとっては喜びだと思いたい。

思えますように。

 

 

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がらんとした新居